【これで完璧】顔の影（シェーディング）入れ方ガイド！イラストに立体感と表情を宿すライティングの法則

はじめに：なぜ、たった数本の影線が顔のクオリティを劇的に変えるのか？

デジタルイラストレーションにおいて、「影」（シェーディング）は、単なる暗い色ではありません。それは、キャラクターの顔に立体感、感情、そして物語のムードを宿すための、最も強力な表現技法です。影の入れ方一つで、イラストの完成度がプロ級に跳ね上がります。

今回、私たちはオンラインイラスト教室「Sketch Palette」が公開した「顔の陰の入れ方」のタイムラプス動画を参考に、プロのイラストレーターが実践する**「顔の凸凹」を活かした影入れの法則と、ライティングによる表情変化の応用テクニック**を徹底解説します。

この記事を読んで、あなたの描くキャラクターの顔に深みとリアリティを与えましょう！

影入れを成功させるための大前提は、「光がどこから当たり、どこに影ができるか」を正確に予測することです。その予測の基準となるのが、顔の骨格が作る「凸凹」です。

顔はのっぺりとした平面ではなく、骨格によって構成された複雑な立体物です。動画では、この立体構造をピンクと青で色分けして示しています。

影を入れる際は、このピンクと青の境目を意識します。つまり、光が当たる「凸」のパーツの際（きわ）に影を入れることで、顔の立体感が自然に表現されます。

顔の影入れにおいて、最も一般的で汎用性が高いのは「上からの光」（トップライト）を意識した影入れです。

影入れの具体的なテクニックは、顔のパーツを覆う「アーチ（弓状の線）」を意識することです。

光と影の境界線をアーチにする：影の境界線は、不自然な直線ではなく、丸みやカーブを持たせます。額の影、鼻の影、頬の影など、それぞれのパーツの丸みに沿って影を入れましょう。
鼻の影：鼻筋の側面に影を入れることで、鼻が高く、前に突き出ているという立体感が生まれます。
頬骨の影：頬骨の下側に影を入れることで、頬がふっくらと見え、顔の丸みや可愛らしさが強調されます。
影はV字で自然に：動画のヒントにあるように、「首の影は顔の影なのでV字で塗ると自然」です。首は顔より奥にあるため、アゴの下にV字型の濃い影を入れることで、首と顔の前後関係（遠近感）が明確になります。

影入れは、立体感を出すだけでなく、キャラクターの「表情」や「ムード」を変化させるための強力な手段です。光源の位置を変えるだけで、同じ線画でも全く異なる印象を与えることができます。

動画で示される「豆知識」は、イラストのムード作りに役立つ応用テクニックです。

逆光ライト（フチ光）：キャラクターの輪郭のフチに強い光を入れ、顔全体を影で覆うライティングです。幻想的、ミステリアス、または暗闇に潜むようなムードを表現できます。
真上の光（天窓）：真上から強い光が当たるライティングです。この光の下では、影が深く、均一に顔の凹んだ部分に落ちます。無機質、神々しい、または緊張感のある表情を演出するのに適しています。
真下の光（ホラー）：顔を下から照らすライティングは、影が不自然に上向きに伸び、見る人に強い違和感や恐怖を与えます。狂気、ホラー、あるいは舞台照明のような劇的な表情を表現できます。

これらのライティングは、キャラクターのその瞬間の感情を強調し、イラストに映画的な深みを与えることができます。