【完全マスター】顔の「フカン(俯瞰)構図」を攻略!パースの歪みを制し、キャラの魅力を引き出す秘訣イラストお役立ち講座【完全マスター】顔の「フカン(俯瞰)構図」を攻略!パースの歪みを制し、キャラの魅力を引き出す秘訣
【完全マスター】顔の「フカン(俯瞰)構図」を攻略!パースの歪みを制し、キャラの魅力を引き出す秘訣
2025年10月15日
はじめに:なぜ「フカン構図」はイラストの表現力を高めるのか?
イラストレーションにおいて、「フカン構図」(見下ろす視点)は、キャラクターに親近感、優しさ、あるいは圧倒的な空間の広がりを与えるために非常に効果的です。特に、見下ろす角度から描かれたキャラクターの顔は、瞳が強調され、鑑賞者との間に独特な関係性やムードを生み出します。 しかし、フカン構図は「アオリ構図」と同様に、顔のパーツが極端に短縮されるため、「頭の上が広くなりすぎる」「目や鼻の位置が不自然になる」と、多くのイラストレーターが苦手意識を持つ構図です。 今回、私たちはオンラインイラスト教室「Sketch Palette」が公開した「フカンの顔の描き方」のタイムラプス動画を参考に、フカン構図の顔を破綻なく、かつ魅力的に描くための4つのポイントと、立体感を維持するプロのチェック項目を徹底解説します。 この記事を読んで、あなたのキャラクターに空間的な奥行きと特別なムードを与えましょう!ステップ1:頭の構造を理解する!「凸凹」と「稜線」でパースを固定する
フカン構図を成功させるには、まず頭部全体を立体的な構造物として捉えることが不可欠です。顔のパーツが球体の表面に貼り付いているという感覚を持つことが、歪みを防ぐ鍵となります。Point 1. 顔の「凸凹」と「稜線」で立体感を把握する(動画 0:04-0:10)
- 凸凹構造の理解:顔は出っ張り(凸)と引っ込み(凹)で構成されています。フカン構図では、この凸凹の影の落ち方が重要になります。おでこや鼻筋が光を受け、頬骨や目の下が影になることで、フカンならではの立体感が生まれます。
- 稜線(ガイド)の活用:動画で示されている紫色の網目(稜線)は、頭部を球体として捉え、パースによる歪みを均一化するためのガイドです。この稜線を意識することで、目の位置や口の位置が、頭部の曲面に沿って配置されているという説得力が増します。
- パーツの比率:斜めの構図であっても、「目〜鼻の長さは耳の縦幅と同じ」という基本的な比率を維持することで、デッサンの狂いを最小限に抑えられます。
Point 2. 「目の球体」を意識し、まぶたの形を理解する(動画 0:11-0:21)
目は、顔の中で最も立体感を出しやすいパーツです。フカン構図では、目を球体(眼球)として捉えることが特に重要になります。- まぶたの役割:まぶたは、眼球という球体を覆う皮膚です。フカン構図では、上まぶたが手前に、下まぶたが奥に位置するため、上まぶたの面積が大きく、下まぶたは短縮されて描かれます。
- 瞳孔の円:眼球のガイドに沿って瞳孔(黒目)の円を描くことで、目線が正確に、そして球体の曲面に沿って表現されます。まぶたの形だけではなく、眼球という球体の存在を意識しましょう。
ステップ2:ディテールを描く!フカン構図の「パース短縮」テクニック
顔の構造が把握できたら、次はフカン構図特有のパーツの「短縮」と「隠れ」を活かし、魅力を出すテクニックです。Point 3. 鼻と口の「短縮」を誇張する(動画 0:22-0:25)
フカン構図では、顔の底面は見えにくく、顔の上部が強調されます。- 鼻の短縮:鼻は前に突き出ているため、フカン構図では短縮され、鼻の頭が強調されます。動画で示されているように、鼻をダイヤ型として捉え、鼻の穴の底面はほとんど見えないように描くのが一般的です。
- 口の短縮:口元は、鼻の下に隠れるように短縮されます。特に上唇は、上顎に沿って湾曲しているため、上唇がほとんど見えず、下唇や歯が強調されるように描くとフカンらしくなります。動画にある「歯のカーブは曲げたテープをイメージして」というヒントは、口の円筒状の立体感を捉える上で非常に役立ちます。
Point 4. 頭の面積を広げ、「頭頂部」の丸みを強調する(動画 0:26-0:36)
フカン構図の最大のコツは、キャラクターの頭全体をどう捉えるかにあります。- 頭の丸み:フカン構図では、頭頂部が手前に来るため、頭の丸みが強調され、顔の輪郭よりも頭の上の面積が広くなります。このとき、頭のてっぺんに向かってパースの線(動画の赤線)が集中していることを意識しましょう。
- 顔の位置:「フカンが強まると、頭頂部の面積は広くなり、首は隠れる」とあるように、顔全体を低い位置に描くことで、頭の上が広く見え、フカン構図の効果を最大化できます。顔の輪郭を耳のすぐ下から描くことで、フカンらしさが強調されます。
応用とチェック:フカン構図の「違和感」をなくす最終調整
フカン構図の完成度を高めるには、最後に「違和感がないか」をチェックすることが重要です。違和感チェックリスト
- 目の位置:目の高さを示すライン(稜線)が、必ず円を描いてカーブしているか。直線になっていないか。
- 鼻の穴:フカンが強い場合、鼻の穴は見えません。わずかに鼻の底面が見える程度に抑えられているか。
- アゴのライン:アオリとは逆に、フカン構図ではアゴの底面が隠れ、顔の輪郭がシャープに見えます。アゴの下のたるみや首筋が、顔の輪郭のすぐ下に隠れているか。
- 頭の上の余白:顔の横幅に対して、頭の上の余白が十分広く取られているか。この余白が、フカン構図の空間的な奥行きを表現します。
まとめ:フカン構図を武器にする!
今回解説したフカン構図のテクニックは、キャラクターの魅力を引き出す上で非常に強力な武器になります。- 稜線と凸凹で、頭部の立体構造を固定する。
- 眼球とまぶたの関係を意識し、目の球体感を出す。
- 鼻と口のパース短縮を誇張し、立体感を出す。
- 頭頂部の面積を広く取り、フカン構図の空間を表現する。