【簡単7工程】イラストが輝く!プロが教える「水光感のある瞳」の塗り方:透明感と輝きの秘訣
はじめに:なぜ「瞳の輝き」がキャラクターの生命感を決めるのか?
イラストレーションにおいて、キャラクターの「瞳」は感情を伝え、生命感を宿す最も重要なパーツです。特に、まるで水を湛えたかのように潤んだ「水光感(すいこうかん)」のある瞳は、キャラクターに透明感、深み、そして見る人を惹きつける強い魅力を与えます。
しかし、「どう塗っても濁ってしまう」「キラキラ感がわざとらしくなる」と、この繊細な輝きの表現に苦手意識を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回、私たちはオンラインイラスト教室「Sketch Palette」が公開した「簡単7工程!水光感のある瞳の塗り方」のタイムラプス動画を参考に、プロのイラストレーターが実践する、瞳に自然な潤いと輝きを与える7つのステップを徹底解説します。
この記事を読んで、あなたのキャラクターの瞳に、吸い込まれるような生命の輝きを与えましょう!
ステップ1:土台作り!基本の「グラデーション」で立体感を
瞳の輝きは、その土台となる色の深みと立体感があってこそ生まれます。まずは、瞳の基本的な構造を意識したグラデーションから始めます。
Point 1. ベースカラー(薄い色)を塗る(動画 0:03-0:08)
- 色の選択:まず、瞳のベースとなる色を塗ります。動画では「薄い色」と指示があるように、後の工程で色を重ねていくことを考慮し、比較的明るく彩度の低い色を選びましょう。
- 楕円定規の活用:瞳は球体の一部です。正確な円を描くために、デジタルツールの「楕円定規」などを使うと効率的です。
Point 2. 内側に「彩度の高い色」をエアブラシで入れる(動画 0:09-0:13)
- 瞳孔周りの色:瞳の内側(瞳孔に近い部分)は、光を多く取り込み、色が鮮やかに見える傾向があります。ベースカラーよりも「濃く、彩度の高い色」を選び、エアブラシで瞳の内側にふんわりと色を乗せます。
- 効果:この工程により、瞳の中心から外側にかけて自然なグラデーションが生まれ、瞳に最初の「奥行き」が生まれます。
Point 3. 上半分に「陰色」を塗り、さらに暗い色を重ねる(動画 0:14-0:16)
- 上まぶたの影:瞳の上半分には、上まぶたの影が落ちます。「陰色」(ベースカラーより暗く彩度の低い色)を選び、瞳の上半分に塗ります。不透明度をロックすると作業しやすいです。
- さらなる陰影:さらに深みを出すために、陰色よりも「もっと暗い色」を、瞳の最上部にエアブラシで重ねます。
- 効果:この2段階の影入れにより、瞳に球体としての立体感と、まぶたの影によるリアルさが加わります。
ステップ2:瞳孔とフチで「輪郭」を際立たせる
瞳の印象を決定づけるのは、中心の瞳孔と、虹彩(こうさい)のフチの表現です。
Point 4. 瞳孔(楕円)を真ん中に置き、馴染ませる(動画 0:17-0:19)
- 瞳孔の形と色:「暗い色の楕円」で瞳孔を描き、瞳の真ん中に配置します。瞳孔の色は、黒または虹彩の色をさらに暗くした色を選びます。
- 馴染ませる:瞳孔の輪郭がくっきりしすぎると不自然に見えるため、ぼかしツールや指先ツールで、瞳孔のフチを周囲の色と軽く馴染ませます。
Point 5. 暗い色で虹彩の「フチ」を描く(動画 0:20-0:22)
- フチの役割:虹彩の外側のフチを、瞳孔と同じ、または近い暗い色で細く描き込みます。このフチがあることで、瞳の輪郭が引き締まり、白目との境界が明確になります。
- 線の太さ:フチは、上側を太く、下側を細く描くと、より自然な印象になります。
ステップ3:水光感の核心!「反射光」と「ハイライト」の魔法
ここからが、瞳に「水光感」を与えるための最も重要な工程です。光の反射と透過を表現するテクニックを学びます。
Point 6. 水色のエアブラシで「反射光」を入れる(動画 0:23-0:25)
- 反射光の意味:瞳の上部に、水色のエアブラシでほんのりと光を入れます。これは、空や周囲の環境光が瞳の表面に映り込んでいる「反射光」を表現しています。
- 色の効果:水色は、瞳に「潤い」と「透明感」を与える効果があります。瞳のベースカラーが暖色系(赤や茶色)であっても、この水色の反射光を加えることで、一気にみずみずしい印象になります。
Point 7. 「ハイライト」で輝きを集中させる(動画 0:26-0:33)
水光感の仕上げは、瞳に入れる「ハイライト」です。動画では2種類のハイライトを入れています。
- ハイライト①(メイン):まず、瞳の上部に「加算発光100%」などの強い発光モードで、白く大きなハイライトを入れます。このハイライトは、光源(太陽や照明)が直接反射している最も強い光です。
- 応用テクニック:ハイライトのフチに「赤と青」を入れると、レンズの収差(色ズレ)のような効果が生まれ、よりリアルで複雑な輝きになります。
- ハイライト②(サブ):次に、「覆い焼き発光11%」などの弱い発光モードで、瞳の下部や側面に「丸や三角の光」を追加します。これは、瞳の内部で光が乱反射している様子や、表面の潤いを表現します。
- 効果:この2種類のハイライトを組み合わせることで、瞳に強い輝きと、潤んだような柔らかい光沢(水光感)が生まれます。
まとめ:あなたの瞳に「生命の輝き」を灯す7ステップ
今回解説した「水光感のある瞳の塗り方」の7つのステップは、デジタルイラストで瞳の魅力を最大限に引き出すための実践的なテクニックです。
- ベースカラーを塗る。
- 内側に彩度の高い色をエアブラシで加える。
- 上半分に2段階の陰色を重ねる。
- 瞳孔を描き、フチを馴染ませる。
- 暗い色で虹彩のフチを描く。
- 水色のエアブラシで反射光(潤い)を入れる。
- 2種類のハイライト(強い光と潤い)で輝きを完成させる。
これらのステップを丁寧に実践すれば、あなたの描くキャラクターの瞳は、まるで生きているかのように輝き、見る人の心を強く惹きつけるでしょう。
さあ、あなたもオンラインイラスト教室「Sketch Palette」のような場所で、瞳の表現を極め、キャラクターイラストの完成度を格段に向上させてみませんか?

