【透明感爆上がり】色素の薄い髪(銀髪・白髪)の塗り方!3ステップで解説
はじめに:銀髪や白髪が「ただのグレー」になっていませんか?
ファンタジーや現代劇を問わず、イラストレーションにおいて絶大な人気を誇るのが、銀髪や白髪といった「色素の薄い髪」を持つキャラクターです。その儚げで神秘的な雰囲気は、見る人を惹きつける強力な武器となります。
しかし、いざ自分で描いてみると、「色が濁って汚く見える」「ただのねずみ色になってしまい、透明感が出ない」「画面全体が地味になる」といった悩みに直面することは少なくありません。白い紙の上に白い髪を描くというのは、実は非常に高度な色彩感覚が求められる作業なのです。
今回、私たちはオンラインイラスト教室「Sketch Palette」が公開した「3STEP! 色素の薄い髪の塗り方」の動画を参考に、誰でも簡単に透明感あふれる銀髪・白髪を表現できるプロのテクニックを徹底解説します。
この記事を読めば、あなたの描くキャラクターの髪は、光を透過し、空気を含んだような美しい質感へと生まれ変わるでしょう。
ステップ1:ベースカラーは「紫」を混ぜて透明感を仕込む
色素の薄い髪を塗る際、多くの人がやってしまう失敗が、カラーパレットにある無彩色の「グレー」をそのままベースカラーとして塗ってしまうことです。これでは、髪が無機質なコンクリートのように見えてしまいます。
透明感のある髪を描くための最初の鍵は、ベースカラーに「色味」を持たせることです。
Point 1. シルバーを意識し、紫寄りの色を置く(動画 0:03-0:10)
動画では、ベースカラーとして単なるグレーではなく、わずかに紫を含んだシルバーを選択しています。
なぜ紫なのか? 色彩理論において、紫や青といった寒色系の色は、透明感や清涼感、そして空間の奥行きを感じさせる効果があります。特に銀髪や白髪の場合、ベースに「薄い紫(ラベンダー色)」や「青みがかったグレー」を使用することで、髪自体が透き通っているような印象を与えることができます。
黄ばみを抑える効果 また、紫は黄色の補色(反対色)にあたります。髪の毛を描く際、肌の色が反射してどうしても黄色っぽく濁りがちですが、ベースに紫を仕込んでおくことで、その黄ばみを打ち消し、澄んだ白さを維持する効果も期待できます。
まずは、パレットでグレーを選んだ後、少しだけ青紫の方向へ色相をずらし、明度を高く設定した色で全体を塗りつぶしてみましょう。これだけで、仕上がりの透明感が劇的に変わります。
ステップ2:影色は「青紫」と「低彩度」で深みを出す
ベースカラーが決まったら、次は立体感を出すための「影」を塗っていきます。ここでも、ただ黒を混ぜた色を使うのはNGです。色素の薄い髪は、影の色選びこそが美しさを決定づけます。
Point 2. 1影は乗算で「青〜紫」、2影は「低彩度」で(動画 0:11-0:22)
動画では、影を2段階に分けて塗ることで、深みとリズムを生み出しています。
1影(大まかな影):乗算レイヤーを活用する 1段階目の影(1影)には、ベースカラーよりも濃い「青」や「紫」が入った色を使用します。レイヤーの合成モードを「乗算」に設定し、髪の束感や頭の丸みを意識して塗っていきます。 ここでも寒色系を選ぶ理由は、ベースカラーと同様に透明感を維持するためです。暖色系の影を入れると柔らかさは出ますが、銀髪特有のクールで澄んだ印象が弱まってしまうことがあります。
2影(落ち影・濃い影):彩度を下げる 1影の中で、さらに奥まっている部分や、首元に落ちる濃い影(2影)には、「より暗く、彩度低め(灰色に近い)の色」を置きます。 1影で色味(青紫)を足した分、2影ではあえて彩度を落としてグレーに近づけることで、画面全体が派手になりすぎるのを防ぎ、落ち着いた実在感を出すことができます。色の鮮やかさにメリハリをつける、引き算のテクニックです。
この「色味のある1影」と「無彩色の2影」のコンビネーションが、色素の薄い髪にリッチな質感を与えます。
ステップ3:反射光とハイライトで「透き通る質感」を完成させる
最後のステップは、光の表現です。ここで入れる色が、髪の毛の透明感を極限まで高めます。
Point 3. 暗い部分に「水色」の反射光を入れる(動画 0:23-0:28)
ここがプロの技の見せ所です。髪の毛の影になっている暗い部分、特に毛先や首周りの影の中に、「水色」などの明るい寒色で反射光(環境光)を入れます。
エアブラシなどでふんわりと入れるのがコツです。影の中に明るい青を入れることで、髪の毛が周囲の空気を反射しているような軽やかさと、向こう側が透けて見えるような錯覚を生み出します。この一手間があるだけで、重たくなりがちな影が一気に垢抜けます。
Point 4. ハイライトは「限りなく白に近い薄紫」(動画 0:23-0:28)
髪のツヤを表すハイライトは、真っ白(ホワイト)で描くのも間違いではありませんが、動画では「限りなく白に近い薄紫」を使用しています。
ベースカラーや影色と色相(紫系)を統一することで、ハイライトだけが浮くのを防ぎ、髪全体に馴染む上品な輝きを表現できます。天使の輪ができる頭のハチ部分や、前髪の膨らんでいる部分に、繊細に入れていきましょう。
応用編:色味のニュアンスでキャラクターの個性を変える
色素の薄い髪の塗り方をマスターしたら、色味を少し調整するだけで、キャラクターの性格や印象を自在に操ることができるようになります。
「ホワイトブロンド」と「パープルシルバー」(動画 0:35-0:44)
動画の最後では、同じ線画で色味を変えた比較が紹介されています。
黄色寄りの銀髪(ホワイトブロンド) ベースや影に少し黄色やオレンジのニュアンスを混ぜると、温かみのある「ホワイトブロンド」になります。活発なキャラクターや、柔らかく親しみやすい印象を与えたい場合に適しています。
紫寄りの銀髪(パープルシルバー) 今回解説した通り、紫や青を強調すると、冷たく神秘的な「パープルシルバー」になります。クールなキャラクターや、高貴でミステリアスな印象を与えたい場合に最適です。
「色素が薄い」という共通点があっても、その中にわずかに含まれる色の成分によって、受け手に伝わるイメージは大きく変わります。自分の描きたいキャラクターの性格に合わせて、最適な「白」を探求してみてください。
まとめ:透明感は「色選び」で作られる
今回解説した「色素の薄い髪の塗り方」の3ステップを振り返りましょう。
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ベースカラー:グレーではなく、紫寄りのシルバーで透明感の土台を作る。
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影色:1影は青紫で色味を足し、2影は低彩度グレーで引き締める。
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光の演出:影の中に水色の反射光を入れ、薄紫のハイライトで仕上げる。
銀髪や白髪を描くことは、単に色を塗らないことではありません。むしろ、繊細な色を重ね合わせることで、白の中にある豊かな色彩を表現する行為と言えます。
このテクニックを使えば、あなたのイラストは空気感と透明感を纏い、ワンランク上のクオリティへと進化するはずです。ぜひ次回の作品制作で試してみてください。
さあ、あなたもオンラインイラスト教室「Sketch Palette」のような場所で、配色の理論や塗りのテクニックをさらに深く学び、表現の幅を広げてみませんか?

