【3Dレベルの迫力】顔の「アオリ構図」をマスターする!立体感とパースを徹底解説(プロの顔デッサン講座)イラストお役立ち講座【3Dレベルの迫力】顔の「アオリ構図」をマスターする!立体感とパースを徹底解説(プロの顔デッサン講座)
【3Dレベルの迫力】顔の「アオリ構図」をマスターする!立体感とパースを徹底解説(プロの顔デッサン講座)
2025年10月6日
はじめに:なぜ「アオリ構図」がイラストの迫力を劇的に高めるのか?
イラストレーションにおいて、キャラクターに圧倒的な存在感や威圧感、あるいは見上げるほどの壮大さを与えたいとき、最も効果的なのが「アオリ構図」(見上げる視点)です。 しかし、アオリ構図は顔のパーツが歪み、パース(遠近感)の理解が難しいため、「どう描いても顔が崩れる」「アゴが不自然になる」と苦手意識を持つイラストレーターが多いのも事実です。 今回、私たちはオンラインイラスト教室「Sketch Palette」が公開した「アオリの顔の描き方」のタイムラプス動画を参考に、アオリ構図の顔を破綻なく、かつ立体的に描くための2つのステップと、プロが意識する3つのチェックポイントを徹底解説します。 この記事を読んで、あなたのキャラクターに3Dレベルの迫力と存在感を与えましょう!ステップ1:顔の形を覚える!「凸凹」と「稜線」で立体感を把握する
アオリ構図を描く上で、最も重要なのは「顔の構造がどうなっているか」を理解することです。動画では、顔の複雑な構造を非常にシンプルかつ機能的に捉える方法が示されています。Point 1. 顔の「凸凹」構造を覚える(動画 0:06-0:09)
顔はのっぺりとした平面ではなく、骨格によって出っ張った部分(凸)と引っ込んだ部分(凹)で構成されています。動画では、この凸凹を色分けして視覚的に分かりやすく示しています。- 凸(出っ張り)のパーツ:額、頬骨、鼻、アゴ、口周りなど。光が当たりやすく、キャラクターの個性を際立たせるパーツです。
- 凹(引っ込み)のパーツ:目元、口とアゴの間、エラの下など。影が溜まりやすく、立体感や色気を表現する鍵となります。
Point 2. 「稜線」でパースの基準線を引く(動画 0:10-0:21)
アオリ構図の顔が崩れる最大の原因は、パーツの配置基準がズレてしまうことです。この問題を解決するのが、頭部全体を覆う「稜線(りょうせん)」のガイドです。- 頭をメッシュで捉える:動画では、頭部全体を網目状の線(稜線)で包み込み、どのパーツがどの角度で配置されているかを明確にしています。特に、頭部を球体として捉えるだけでなく、面(ボックス)として捉えることで、複雑なアオリの角度でも基準線が狂いにくくなります。
- パーツの長さの法則:斜めの構図であっても、基本的な人体比率は変わりません。動画でも「目〜鼻の長さは耳の縦幅と同じ」という、横顔や斜め顔を描く上での重要な基準が示されています。この基準をアオリの構図に適用し、パースによってどの線が短縮されて見えるかを計算することが重要です。
ステップ2:ディテールを描く!アオリ構図の「パース誇張」テクニック
顔の構造が把握できたら、次はアオリ構図特有の歪み(パース)を活かし、細部を描き込んで迫力を出すテクニックです。Point 3. 鼻の穴とアゴで奥行きを出す(動画 0:22-0:36)
アオリ構図の顔を成功させる鍵は、顔の底面の情報を正確に描くことです。- 鼻の穴を「ダイヤ型」で描く:動画では、鼻の穴や底面を「ダイヤ形」で捉えるテクニックが示されています。鼻の穴が正面から見え、鼻の下のラインも描かれることで、顔が上を向いているという視点が明確に伝わり、奥行きが生まれます。
- アゴを長く描く:アオリでは、「口は上めに、アゴは長めに描く(遠近感)」という意識が大切です。見上げる視点ではアゴが手前にあり、最も大きく見えます。アゴを長く、そして立体的に描くことで、見上げているキャラクターの威圧感を表現できます。
- 首元の立体感:アゴの下に見える首筋(胸鎖乳突筋)や喉仏も、アオリでは重要なディテールです。これらのラインを描き込むことで、顔だけでなく首全体の立体感が際立ちます。
避けるべきNG例とプロのチェックポイント
アオリ構図の失敗例を知ることは、成功への近道です。動画の最後に示されたNG例から、描画時に注意すべき点を学びます。Point 4. 「アゴとエラ」を繋ぎすぎない(動画 0:37-0:47)
動画では、「アゴとエラを繋げると、アゴが尖りすぎて不自然になっちゃう!」というNG例が示されています。- 顎下の構造:アオリで見上げる際、アゴの先端からエラにかけてのラインは、実際には肉や皮膚で繋がれており、硬い直線ではありません。アゴの先端とエラを直線で繋ぎすぎると、不自然に鋭利なV字ラインになってしまい、顔の立体感や自然さが失われます。
- 正しい接続:アゴの下のラインは、一度緩やかなカーブを描いて喉の方へ落ち込み、そこから首筋へと繋がるのが自然です。この「たるみ」や「柔らかいカーブ」を意識して描くことで、顔の輪郭がよりリアルになります。
Point 5. 常に「骨格」と「厚み」を意識する
アオリ構図の顔を描く際は、常に「この顔は3Dの頭蓋骨である」という意識を持ちましょう。- 頭蓋骨の厚み:耳の上や後頭部など、顔のパーツではない部分にも頭蓋骨の丸みや厚みを意識して線を描くことで、顔全体が頭に収まっているという説得力が生まれます。
- アイホールのくぼみ:目のくぼみ(アイホール)は、顔の凸凹の中でも最も重要な凹みです。アオリで見上げる際、眉骨の影が濃く落ちることで、キャラクターの表情に深みと力強さが生まれます。
まとめ:アオリ構図を武器にする!
今回ご紹介した「アオリの顔の描き方」のテクニックは、キャラクターの魅力を引き出す上で非常に強力な武器になります。- 凸凹構造を理解し、光と影の配置を明確にする。
- 稜線ガイドを使って、アオリ構図のパース基準を固定する。
- 鼻とアゴの底面情報を正確に描いて、奥行きを出す。
- アゴとエラの接続は緩やかなカーブで、不自然な鋭さを避ける。